経営相談

求人を出しても応募が来ない…賃上げの前に見直したい3つのチェックポイント

「ハローワークに半年出しているのに、応募が1件だけ」「求人サイトに載せても反応がない」——採用に苦戦している中小企業の経営者から、こうした声を耳にすることは少なくありません。

真っ先に浮かぶのは「時給を上げるしかないのか」という考えかもしれません。もちろん賃金は大切な条件の一つですが、資金に限りがある中で賃上げだけに頼るのは現実的ではありませんし、実は応募が集まらない理由は賃金以外にある場合もあります。

この記事では、応募が来ないときに見直したい3つのポイントを、チェックリスト形式で点検できるように整理しました。当てはまる項目がないか、自社の求人と照らし合わせながら読んでみてください。

応募が来ない理由は「賃金だけ」ではない

人手不足は、千葉県内に限らず多くの中小企業に共通する経営課題です。求職者よりも求人の数が多い状況が続く業種もあり、建設業や運輸業、介護、飲食などでは特に採用の難しさが指摘されています(参考:厚生労働省「一般職業紹介状況」の有効求人倍率 等)。

こうした環境では、求職者は複数の求人を見比べて選ぶ立場にあります。つまり、自社の求人が「選ばれる側」として比較されているという前提に立つ必要があります。

比較の材料は賃金だけではありません。仕事内容の分かりやすさ、職場の雰囲気が想像できるか、働き方の柔軟さ、そもそも求職者の目に触れる場所に求人があるか——複数の要素が絡み合っています。裏を返せば、賃金以外にも打てる手が複数あるということです。次の章で、順番に点検していきましょう。

応募ゼロのときに見直す3つのチェックポイント

チェック1:求人票の中身

まず、いま出している求人票そのものを見直します。次の項目に当てはまるものはないでしょうか。

  • □ 仕事内容が「製造業務」「現場作業」など一言で済まされている
  • □ 1日の仕事の流れ(何時に何をするか)が書かれていない
  • □ 「経験者優遇」「即戦力」など、未経験者が引いてしまう言葉が入っている
  • □ 職場の人数・年齢層・雰囲気が分かる情報がない
  • □ 写真がない、または事務所の外観だけになっている
  • □ 数年前に作った求人票を、内容を変えずに出し続けている

求職者は求人票の情報だけで「自分が働く姿」を想像します。想像できない求人は、条件が悪くなくても候補から外れやすいと言われています。たとえば「現場作業」ではなく「朝は資材の積み込みから。現場は千葉県内が中心で、直行直帰の日もあります」のように、具体的な一日が見える書き方に変えるだけでも、伝わり方は変わります。

チェック2:募集の出し先(チャネル)

次に、「どこで募集しているか」です。

  • □ 募集はハローワークの1か所だけ
  • □ 採りたい人物像(年代・経験・働き方)を決めずに出している
  • □ 自社のホームページやSNSに採用情報が載っていない
  • □ 従業員からの紹介(リファラル)を仕組みとして呼びかけたことがない
  • □ 地域の情報紙・折込・店頭掲示など、近隣に届く手段を使っていない

チャネルにはそれぞれ届きやすい層があります。一般的に、若年層はスマートフォンの求人サイトやSNS経由が多く、地域のパート層には折込や店頭掲示、知人の紹介が届きやすいと言われます。「誰に来てほしいか」を先に決めると、出すべき場所も絞りやすくなります。ハローワークを続ける場合も、窓口で求人票の書き方について相談できる場合がありますので、活用を検討してみてください。

チェック3:仕事と条件の切り出し方

3つ目は、募集する仕事そのものの設計です。

  • □ 「フルタイム・週5日」の募集しか出していない
  • □ 一人にすべての業務を任せる前提で募集している
  • □ 資格や経験が「あれば望ましい」程度なのに、必須条件にしている
  • □ 勤務開始・終了時刻を固定でしか設定していない

フルタイムで来てくれる人を待ち続けるより、業務を分解して「午前だけ」「週3日」「この作業だけ」という形で切り出すと、応募できる人の範囲が広がる場合があります。子育て中の方やシニア層など、時間に制約はあっても働く意欲のある層に届く可能性が出てくるからです。仕事の切り出しは職場のシフト設計とも関わるため、後述の相談窓口で一緒に検討することもできます。

見直しの進め方——一度に全部やらなくていい

チェックが多くついた方も、心配はいりません。すべてを一度に直す必要はなく、着手しやすい順に進めれば十分です。一般的には、費用がかからない順として次のような進め方が考えられます。

  1. 求人票の書き直し(仕事内容の具体化・写真の追加)
  2. 自社ホームページ・SNSへの採用情報の掲載
  3. 従業員への紹介の呼びかけ
  4. 募集条件・仕事の切り出しの見直し

また、書き直した求人票は、家族や従業員など「求職者に近い目線の人」に読んでもらうと、社内では気づかない分かりにくさが見つかることがあります。効果はすぐに出るとは限りませんが、出しっぱなしにせず、反応を見ながら数か月単位で手を入れていくことが大切です。

求人票の見直し、一緒に取り組むことができます。
「どこから直せばいいか分からない」「書き直したものを見てほしい」——そんなときは、公的な無料の経営相談窓口の活用も検討してみてください。求人票の内容や募集方法の整理、仕事の切り出し方まで、自社の状況に合わせて一緒に考えることができます。費用をかける前に、まず無料でできる見直しから始めてみませんか。

まとめ

求人への応募が集まらないとき、賃上げは選択肢の一つですが、それだけがすべてではありません。この記事では、「求人票の中身」「募集の出し先」「仕事と条件の切り出し方」という3つのチェックポイントをご紹介しました。

自社の求人を求職者の目線で読み直すことが、費用をかけずにできる最初の一歩です。チェックリストで気になった項目から、一つずつ手を入れてみてください。進め方に迷ったときは、公的な無料相談で伴走してもらう方法もあります。


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