【得意分野】
- 法務全般
- 経営計画策定
- 経営改善・事業再生
- 事業承継・M&A
【得意業種】
- サービス業
- 運送業
- 製造業
【趣味】
飲み歩き、モルック、弁当作り
創業や事業運営を進める中では、契約、資金繰り、組織づくり、将来の承継など、さまざまな判断が求められます。 その一つひとつに法的な視点は欠かせませんが、実際には「法律上こうです」だけでは解決しない場面も少なくありません。今回お話を伺ったのは、弁護士としての専門性に加え、中小企業診断士としての視点も持ちながら、経営法務や再生支援、M&A支援などに携わる中村さんです。現場に寄り添う支援のあり方について伺いました。
まずはこれまでのご経歴を教えてください。
法律事務所で経験を積んだ後、中小企業再生支援協議会や都内のコンサルタント会社で、経営改善計画の策定や実行支援などに携わってきました。
法的な課題だけではなく、資金繰りや事業の立て直し、経営の継続に向けた具体的な支援に関わる中で、企業が直面する問題は一つの分野だけで整理できるものではないと強く感じるようになりました。
その後、船橋市内で法律事務所を開設し、現在は中小企業向けの経営法務、M&Aのサポート、倒産や再生を含む資金繰り支援などに取り組んでいます。法的な視点を持ちながらも、実際の経営状況に即した支援を行うことを大切にしています。
弁護士と中小企業診断士、両方の視点を持っていることは、今のお仕事にどう活きていますか?
とても大きいと思います。
法的な整理だけで考えると、たしかに明確な答えが出る場面もありますが、経営の現場では、その答えをそのまま実行できるとは限りません。資金繰り、人材、取引先との関係、経営者の考え方など、さまざまな事情が絡み合っています。
そのため、私は「法律上どうか」だけでなく、「実際にその会社にとって何が現実的か」という視点を大切にしています。両方の視点があることで、理論だけではない、実行可能性を意識した支援につなげられていると感じています。
現在はどのようなご相談が多いのでしょうか?
契約や取引に関する法務相談はもちろんですが、資金繰り、経営改善、事業承継、M&Aに関するご相談も多いです。
特に中小企業では、法務の問題が単独で存在するというより、経営上の課題とつながっていることがほとんどです。たとえば、売掛金の回収や取引先とのトラブルも、資金繰りや事業継続に直結します。
また、創業間もない方からは、契約書の見方、事業を進める上で気をつけるポイント、トラブルを未然に防ぐための考え方などについてのご相談も多いですね。問題が起きてからではなく、起きる前に整理しておくことの大切さを感じています。

再生支援や経営改善のご経験から見えてきたことはありますか?
経営が苦しくなる背景には、単一の原因ではなく、複数の要素が重なっていることが多いと感じています。
売上の減少だけでなく、固定費の構造、借入の状況、社内の意思決定、取引関係など、いくつもの課題が少しずつ積み重なって表面化していきます。だからこそ、一つの論点だけを見るのではなく、全体を整理することがとても重要です。
また、厳しい状況にあるときほど、経営者の方は一人で抱え込みやすくなります。何から手をつければいいのかわからなくなることも少なくありません。そうしたときに、状況を整理し、選択肢を見える形にしていくことが支援者の大きな役割だと思っています。
中小企業向けの経営法務では、どんなことを大切にされていますか?
「正しいこと」をお伝えするだけで終わらせないことです。
もちろん法的に適切であることは大前提ですが、現場で実際に運用できる形になっていなければ意味がありません。特に中小企業では、限られた人員や時間の中で事業を動かしているので、理想論だけでは対応しきれないことも多いです。
だからこそ、その会社の規模や状況、経営者の考え方も踏まえて、無理なく進められる方法を一緒に考えるようにしています。法律を守ることと、事業を続けること。その両方を意識しながら支援することが大切だと思っています。
事業承継やM&Aの支援では、どのような視点が必要だと感じますか?
事業承継やM&Aは、単なる手続きではなく、その会社のこれからをどうつないでいくかというテーマだと思っています。
数字や条件面の整理はもちろん重要ですが、それだけではなく、経営者が何を守りたいのか、どんな形で次につなげたいのかという思いもとても大切です。
特に中小企業では、会社そのものに経営者の価値観や人間関係が色濃く反映されていることが多いので、形式だけでは進められません。だからこそ、法務・財務・経営の観点を重ねながら、実情に合った着地点を探ることが必要だと感じています。
多くの事業者を見てきた中で、伸びる会社の共通点はありますか?
いくつかありますが、特に感じるのは「問題を早めに見ようとする姿勢」があることです。
うまくいく会社ほど、課題が大きくなる前に違和感を拾い、早めに相談したり、見直したりしています。問題が起きない会社というより、問題に向き合うのが早い会社が強いのではないかと思います。
もう一つは、自分たちの強みや方向性を言葉にできていることです。何を大切にして、どこを目指すのかが整理されていると、判断にも一貫性が出ますし、変化の中でもぶれにくくなります。法務や経営計画も、その軸があってこそ活きてくるものだと感じています。

創業したばかりの方が、法的な問題でつまずきやすいのはどんな場面でしょうか?
契約や取引条件を十分に整理しないまま進めてしまうことは、比較的多いと感じます。
始めたばかりの頃は、目の前の営業や準備に意識が向きやすく、契約書やルールづくりは後回しになりがちです。ただ、最初の段階で曖昧なままにしてしまうと、後々のトラブルにつながることがあります。
一方で、必要以上に構えすぎてしまう必要もありません。大切なのは、すべてを一人で判断しようとせず、気になることがあれば早めに相談することだと思います。初期の小さな確認が、将来の大きなリスクを防ぐことにつながるケースは多いですね。
松戸で挑戦する人にとって、どんな可能性があると思いますか?
松戸は、都心とのつながりを持ちながら、地域に根ざした事業にも取り組みやすい環境があると感じます。
大きな市場を意識しつつも、まずは地域の中で試し、反応を見ながら育てていくことができる距離感があるのは魅力です。特にサービス業のように人との関係性が重要な事業では、その環境は大きな強みになると思います。
また、挑戦する人にとっては、完璧な状態を待つよりも、まずは動きながら磨いていける土壌があることも可能性の一つです。地域とのつながりの中で見えてくるニーズや課題は多いので、そこから新しい事業のヒントが生まれることも十分あるのではないでしょうか。
最後に、これから相談を考えている方へメッセージをお願いします。
創業したばかりの時期は、法的な問題に直面しても、何をどう考えればよいのかわからず、不安になることも多いと思います。
ただ、対処方法は一つではなく、そのビジネスの内容や規模、経営者の考え方によっても変わってきます。だからこそ、一人で悩み続けるのではなく、まずは状況を整理することが大切です。
法的な目線だけでなく、事業の実情も踏まえながら、一緒に考えていければと思っています。気になることがあれば、構えすぎず、まずはお気軽にご相談いただければ嬉しいです。

